いのちの食べかた

去年の11月からロングラン上映中の「いのちの食べかた」を見た@イメージフォーラム。大規模生産される食材の現場をナレーションなしで淡々と撮られた構図的に色彩的にキレイな映像。生き物のような、細胞のような機械とそれに協力するひとたちが野菜果物牛豚鳥を“食材”に変えていく。まずこれがいいとか悪いとかは別にこれらの現場はよく計算されて作業が行われているなと思った。無駄がなく清潔に。
倫理的にずれていくと機械に引っ掛けられて流れていくのがひとになることもありえるのではないか。牛豚鳥ではなくもっと供給しやすいことを優先に考えられた生き物をつくるという方向も考えられているのだろう。これくらいの規模で生産しないと世界的に商売をする上でコストと品質を維持できないのだろう。
牛が解体されていく過程を見ていてデミアン・ハーストの縦に切られたホルマリン漬けの牛を思い出した。まだ実際には見たことはないがこの映画を見た後だとなんかチープに見えそうな気がするがどうだろう。この作品はいま森美術館で公開されている。
いろんなことを考えるきっかけになる映画、ではあるが考えたくなることが多方面にありすぎて頭を整理しておかないと逆に思考停止になりそう。

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)英国美術の現在史―ターナー賞の歩みI Want to Spend the Rest of My Life Everywhere, with Everyone, One to One, Always, Forever, Now