本を


昼過ぎ、青山方面を散歩しようと家を出たが移動の間に読む本を持ってこなかった。本を読みたい気分なので駅前の本屋で物色。会社近くで見かけた面白そうな新書はこの店には1冊も置いていない。どれも新刊なのに。買わずに地下鉄に乗る。途中、青山に行く前に本を読まなければならないという強迫観念じみたものに突然駆らた。どうせ読むのならば前から読もうと思っていたあの本がいいと思い、通勤のときと同じ駅で乗り換え確実にあるだろう会社の傍の本屋へ向かう。数ヶ月前から何度か手に取っていたがこんなタイミングで買うことになるとは思わなかった。地下鉄に乗り読み始める。すこし小さめの古臭い書体だ。カタカナの固有名詞に戸惑っている間に青山一丁目についた。