福島市へ

福島市へ行った。
大宮から新幹線で1時間ちょっと。ひと眠りする間もなく着いた。
県庁所在地らしい、古い都市。駅の東にはオフィスや商業の中層ビルが並ぶ繁華街、西には大きめの敷地のスーパーが。工場の跡地利用か。
市街地の北にあっていろんな隙間から見える小高い信夫山。
雪が日陰にだけ少し残っていた。東北地方というと冬のあいだ中、雪が降り積もっているという誤解。
最高気温がマイナスの日もあるようなのでどれだけ寒いのか心配だったが、体感的には東京の寒い日とそれ程変わらない。
念の為に持っていった使い捨てカイロも使うことはなかった。

福島市内にはヴォーリズが設計した教会がふたつあるが、ひとつは震災の影響で全壊し、残るひとつも解体を待っていた。
足場の組まれた福島新町教会以外、壊れた建物などの「爪痕」は殆ど見かけなかった。危ないものは既に解体された後なのか。
街には幅広い年齢層の人たちがふつうに行き来していた。休日の繁華街。駅前に百貨店やスーパーがあり街の中にはファッションビルらしきものも。
南には古そうなお寺が幾つもある。駐車場になった短冊形の土地が多い。
なんとも言えない色合いの(そして、数々のドラマを生んだ)県庁を抜けて、阿武隈川へ。
橋の上からあたりを眺める。川の向こうには小さい山がひとつ。大友良英さんの実家のあたりか。
水がキレイ。うっすら雪が乗った山が幾つか。西には雪が降ってそうな雲。
河原の雑草が上流から下流に向けてなぎ倒されていた。
国道4号線の橋を渡る。震災の時はどんな車が行き来したんだろうか。

サイゼリアで、東京と変わらないデザートを食べて、古い百貨店の中にある大きな本屋へ。
地元の老舗書店のようだ。
店頭には山本太郎の本が積んであった。表紙にこの写真を選ぶセンスがわからない。
原発事故や震災関係の本がたくさんある。見かけない震災関係の本が多い。こころのケアの本も一緒に並んでいた。
記念にと、和合亮一の「詩の礫」を買った。

街のそこらじゅうから見える信夫山が印象的な街だった。