駅を降りて太平洋があるだろう東に向かう道を進む。近くに海水浴場や漁港や産業港があるはずなのにその風情が全くない。T字路に突き当たる。断崖。向こうには岬と砂浜が見える。遊泳禁止なのかサーファーの姿が数名。突き当りには低い草が茂った緑地がある。そこにサーフボードを持った上半身はだかの男が二人、どうしたら海に出られるか探しているようだ。彼らが来ただろう方へいってみる。海風によって曲げられた松を抜けると岬がありちいさな無人灯台があった。岬から見下ろすと人が細かくたくさんいる海水浴場とその先に漁港、白く霞んだその向こうに港らしき影が見えた。