Invisible moments

福居伸宏(id:n-291)さんが参加しているグループ展「Invisible moments」のギャラリートークを聴きいた。参加者は展示している作家とカメラ雑誌編集者の合わせて5名。約2時間弱に及ぶトークを聞いて“写真業界”という世界が持っている自己中毒的な閉塞感を改めて確認した感じ。なんで写真の世界の中だけでどうにかしようとするんだろう。例えば同じ方向を向いている他の表現をしているひとたち(絶対にいるはず!)と一緒になんか作り出していこうとかそんな風に考えることができないんだろうか。うむ。
福居さんの作品は、壁に掛けた縦位置の液晶ディスプレイ4台に、正方形にトリミングした写真のスライドショー。確かに大きなサイズで見たときに全体の雰囲気に押されて見落としがちなディテールに眼が行く。が3秒ごとに映像が変わっていくのでいま見えた画像の全体像を記憶する前に次の画像に変わっていく。流れていく映像のなかのいろんなテクスチャーがどんどん積み重なって奥行き感のある立体的な記憶が残った。
他の作家3名の写真は、写真らしい写真。山岸さんの街角の写真は昔風のドキュメンタリー写真の印象。坂本さんの道の写真は淡く青いぼんやりしたと印象。湊さんの写真は焼きにこだわった印象。写真らしい写真。