永遠のハバナ


十条のシネカフェ「soto」でキューバ映画「永遠のハバナ」とキューバ料理セット上映会に行く。ここはカフェなのに35ミリ映写機を持つ変な空間。
この映画やキューバについての予備知識はないまま、taroさんの料理が目当て。
まずは映画の上映。日の出から深夜まで、キューバの市井のひとたちの数人の暮らしを追ったドキュメンタリー風の映画。
台詞がほとんどないこともあって、聞こえてくるいろんな音が印象的。街の音、料理の音、機械の音、自然の音、話し声、音楽…。場面が変わるとき、まず次の場面の音がいまの音に混ざりだしその後映像が乗ってくる。そのタイミングが絶妙で、まるでひとつの音楽が奏でられているよう。この映画の原題は「ハバナ組曲」。たしかに組曲だ。豆、エスプレッソ、自転車、鉄道、バス、ブルドーザー、レンガ、壁、鉄格子、扉、セメント、柱、空港、学校、劇場、テレビ、机、ジョン・レノン銅像ゲバラのポスター、ピエロ、Continental Airlines、ピエロ、バレエ、ダンス、スパンコール、スーツ、ハイヒール、メイク、シャワー、石鹸、髭剃り、ヒッチハイク、影絵、灯台、雨、煙、波飛沫…。
夜になり映画が終わろうとしたとき登場人物たちの紹介が入る。ちょうどここ数週間このことについて考えているところだったので見たときには涙が出そうになった。どんな紹介だったかを書くとネタばれになるのでここでは書かない。サイトの予告編もそのあたりがふれられているので見ないほうがいいかも。
映画が終わりtaroさんのキューバプレート。豆、美味しい。豚肉、美味しい。サラダのドレッシング、美味しい。バナナのフライ、美味しい。
食事の後、この映画をキューバで買い付け配給した比嘉世津子さんのお話を伺う。この映画を買った経緯、キューバについて、ラテンアメリカの情勢について。やろうとしていた芝居がキャンセルになったのでそのお金を持ってハバナの映画祭に行って気に入ったこの映画をその場で買い付けてきた話し。キューバの映画事情。いままでキューバは美しい姿しか映画で見せることはなかったが、この時期は経済封鎖によりお金がなくスペインのお金で撮ったため崩れかかった街の姿が映し出されても検閲仕切れなかったこと、キューバのオバはんたちのバイタリティの凄さ、カストロも除幕式に参加したというジョン・レノン銅像ハバナにある理由などなどなどなど。
映画も面白かったし食事も美味しかった。でもきょうの一番の収穫は比嘉さんのお話しを聞けたこと!こういう人がいるから文化が生まれるんだと思う。
永遠のハバナ [DVD]