化学物質の常識

(6)物質が毒になるかどうか、それは、摂取量によって決まる。
(7)その意味で、すべての物質は、毒でもあり、無害でもある。だから、安全な物質、危険な物質という二元論での議論は不可能。
(8)全く有害物を摂らないということはありえない。なぜならば、食物はすべからく他の生命であり、他の生命が完全に無害であることはありえないからである。
(9)発がん物質については、ある閾値があるという考え方は取らないのが普通であるが、実体はかならずしもそうではない。
(10)発がん物質は、例えば、女性ホルモンが発がん物質であるように、全く発がん物質に接触しないなどと考えても、それは不可能である。
(11)最大の発がん物質は、ヒトが酸素を呼吸することによって発生する活性酸素である。
(12)発がん物質に接触していても、発がんに至らないのは、傷ついたDNAを修復する能力をもっているからである。
(13)そのような修復能力を始めとして、ヒトの体は、もっとも精緻につくらており、その意味ではもっとも頑丈である。
(14)ただし、乳児は、そのような防御機能が未発達である。

市民のための環境学ガイド「メディアは「安全」を報道できるか」
http://www.yasuienv.net/ChemSafeMedia.htm